設立趣旨

国際寺山修司学会が設立された2006年は、寺山修司生誕70周年を記念する年でありました。またその年の五月は、寺山修司が詩人として誕生した記念すべき五月でした。

寺山修司の没後、36年が経ちました。これまで寺山修司記念館をはじめ、『月刊テラヤマ新聞』の発行など数々の活動が展開されてきました。

寺山修司は13歳のときに俳人として出発し、次いで短歌に傾倒しました。やがて1954年(昭和29年)18歳のとき、『チェホフ祭』が第二回短歌研究五十首詠特選に選ばれて、『短歌研究』に掲載されました。その後、寺山はラジオやテレビのシナリオを執筆しました。ラジオドラマ『中村一郎』は民放会長賞を獲得しました。続いて浅利慶太の求めに応じて、劇団四季に処女戯曲『血は立ったまま眠っている』を発表し、ドラマの世界にも領域を広げて活躍しました。更に映画に新天地を開拓しました。篠田正浩監督の『乾いた湖』でシナリオを書きました。次いで演劇実験室『天井棧敷』を立ち上げました。旗揚げ講演の『青森県のせむし男』に続いて、『大山デブコの犯罪』や『毛皮のマリー』を上演しました。やがて実験映画では『マルドロールの歌』や『ローラ』などを発表し、前衛映画の旗手として活躍しました。更に世界各地に海外公演を挙行しました。寺山が脚色した『奴婢訓』は原作がジョナサン・スウィフトであり、ロンドン・リバーサイドスタジオでの公演は評判になりました。更に、国際演劇祭や国際映画祭にも参加しました。

今、求められているのは、日本全国はもとより世界中至る所で寺山修司を本格的に研究して集約する学会です。

つまり、寺山修司を詩人として、劇作家として評価し、さらに寺山のマルチカルなアイデンティティを総括的に研究する機関です。

 

今まさに寺山修司を、一個の独立した芸術家として、学会や大学や研究機関で研究するときがきました。

今後、国際寺山修司学会は国際社会と連携して、日本全国規模の組織に育て、国内外を問わず優れた寺山研究者を育成し、全世界とのネットワークを築いていきます。

毎年定期総会と定期大会を開催し、研究会を発足して、年報、論文集や寺山事典を刊行していきます。更にワークショップの開催や、映画や演劇をプロデュースし、寺山が詩、演劇、映画、ラジオドラマ、音楽、絵画、写真、競馬を網羅したマルチカルな芸術家であることを解読し、提示していきます。

今後国際寺山修司学会は、毎年次のテーマを掲げて定期総会・定期大会を開催していきます。

 

 1.寺山修司の映画と実験演劇

 2.寺山修司の短歌と俳句 

 3.寺山修司と海外演劇と映画

 4.寺山修司と青森方言

 5.寺山修司とラジオドラマ及び実験映画

 6.寺山修司と童話及びアニメーション

 7.寺山修司と競馬及びスポーツ

 8.詩人と劇作家としての寺山修司

 9.寺山修司と日本文化

 10. 寺山修司と海外文化

 

設立時の高邁な精神からなる初心を忘れず、永続的に国際寺山修司学会は研究活動を続けていきます。

この趣旨のもとに、国際寺山修司学会 (英名 International Society of Shuji Terayama ・略称 ISST)を2006年に設立し、今日に至りました。

 

 

 

 

2019年(令和元年)8月21日

国際寺山修司学会 学会長 清水義和